FBS(Fetal Bovine Serum;ウシ胎児血清)処理方法の違いと選択のポイント
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Central Link株式会社
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ウシ胎児血清(FBS)は細胞培養で広く使用されていますが、FBSの異なる処理方法には何が違うのでしょうか?この記事では、FBSの主要な処理方法に焦点を当て、それぞれの利点と注意事項を紹介します。
1. 非働化処理(Heat Inactivated)済FBS:
- 目的: FBS内の補体活性化を不活化し、細胞傷害を防ぎます。
- 利点: 一般的な用途に適していますが、一部の細胞に影響を与えることがあるので検討が必要です。
2. γ線処理(γ-irradiated)済FBS:
- 目的: ウイルスの不活化を実現し、再生医療研究などで使用されます。
- 利点: ウイルス汚染のリスクを低減します。
3. 活性炭処理(Charcoal stripped)FBS:
- 目的: ホルモンや脂溶性物質の除去を行い、ホルモン感受性の細胞での使用に適しています。
- 利点: ホルモンの影響を最小限に抑えます。
4. テトラサイクリンフリー(Tetracycline free)FBS:
- 目的: テトラサイクリン依存性遺伝子誘導を調節するために使用されます。
- 利点: テトラサイクリンの影響を制御可能です。
5. 透析(Dialyzed)済FBS:
- 目的: 低分子物質を除去し、特定の実験に適しています。
- 利点: 低分子物質の影響を排除します。
6. エクソソーム除去(Exosome depleted)済FBS:
- 目的: エクソソームに関連する実験で使用され、エクソソームの影響を制御します。
- 利点: エクソソームの影響を最小限に抑えます。
7. ES細胞確認(ES screened)済FBS:
- 目的: ES細胞を未分化状態で維持し、研究者の手間を削減します。
- 利点: ES細胞研究に適しています。
8. IgG除去(IgG depleted)済FBS:
- 目的: IgGを除去し、特定の実験に適しています。
- 利点: IgGによる細胞傷害活性を軽減します。
購入時のチェックポイント:
- エンドトキシン濃度
- ヘモグロビン濃度
- 滅菌回数とフィルター孔径
- 原産国
FBS購入時の注意事項:
- 購入前に品質要素を検討し、用途に合ったFBSを選択します。
- 品質向上のために、低エンドトキシンや低ヘモグロビンのFBSを選択することが一般的です。
- 原産国に注目し、安全性を確保します。
まとめ:
FBSの処理方法は用途に合わせて選択する必要があります。自身の研究用途に最適な処理をされたFBSを入手し使用することが重要です。
Central Link株式会社では、FBSなどの動物血清からBSAなどの精製品、
ヒト血液などの生体試料をご案内しております。
バイオ製品をお探しの際はぜひご相談ください。