Protein Gを活用した抗体精製の方法
抗体精製は生命科学研究において不可欠な手法の一つで、様々な研究実験や医学的なアプリケーションで利用されています。この記事では、Protein Gを使った抗体精製の基本的な原理やポイントについて解説します。
Protein Gとは?
Protein Gは、G群溶血性レンサ球菌(group G streptococci)の細胞壁に存在するタンパク質です。特に免疫グロブリン(主にIgG)のFc領域に特異的に結合し、Fabフラグメントとも弱く結合します。
抗体精製においては、Protein Gは一般的に哺乳類のモノクローナル抗体やポリクローナル抗体で、Protein Aとのアフィニティーが低い抗体の精製によく利用されます。
Protein Gの特徴:
- IgGのFc領域に高い親和性(Ka=10-8M)
- Fabフラグメントとも弱く結合
- アルブミンや細胞表面とも結合性を示すサイトが存在
Protein Gを利用した抗体精製のポイント
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抗体のサブクラスの理解: Protein Gは特定のサブクラスの抗体との相性が異なります。例えば、ヒトIgG3やラットIgG2aとのアフィニティーが高い特長があります。精製の際には対象となる抗体のサブクラスを把握し、Protein Gとの結合性を確認しましょう。
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溶出条件の最適化: Protein Gに結合した抗体を効果的に溶出させるためには、酸性バッファーがよく使われます。典型的な溶出バッファーは0.1Mグリシンバッファー(pH 2-3)です。pHを下げることで結合が弱まりますが、適切な範囲を保つようにしましょう。
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抗体の前処理の考慮: Protein Gは主にIgGに対して結合しますが、抗体が他の修飾を受けている場合(ビオチン化、HRP標識、蛍光標識など)、結合性が変化する可能性があります。事前に抗体の状態を確認し、必要に応じて前処理を行いましょう。
Protein Gの結合・解離のポイントを理解して成功に導く
Protein Gを利用した抗体精製の成功には、結合・解離の基本原理を理解することが不可欠です。抗体のサブクラスや修飾状態を考慮し、最適な条件で作業を進めることがポイントです。Protein Gの特性を活かして、クリアな結果を得るために実験を計画しましょう。
抗体精製を成功するためには対象となる抗体の特性を理解し、最適な条件で操作することが重要です。
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