Skip to content
All posts

免疫組織化学(IHC):FBSや動物血清を用いたブロッキングの方法

 

実験7

 

免疫組織化学(IHC)でのブロッキングは、切片上の一次抗体に非特異的に結合することで生じる偽陽性の結果を防ぐために重要なステップです。ここではブロッキングの方法について詳しく説明します。

 

ブロッキングの目的:

ブロッキングの主な目的は、一次抗体と切片の非特異的な結合を防ぐことです。一次抗体が非特異的に結合すると、偽陽性の結果が生じ、正確な免疫染色の解釈を妨げる可能性があります。ブロッキングは、この非特異的結合を最小限に抑え、正確な結果を得るための重要なステップです。

 

使用するブロッキング剤:

ブロッキングに使用できる代表的なブロッキング剤には、以下のものがあります:

  1. FBS(ウシ胎仔血清): FBSは非特異的な結合を防ぐために広く使用されます。通常、一次抗体と同じ種から派生したFBSを使用します。一次抗体がウシ由来であれば、ウシのFBSが選択肢の一つです。
  2. BSA(ウシ血清アルブミン): BSAもブロッキングに使用できます。ただし、一次抗体とは異なる種から派生したものを選択する必要があります。たとえば、一次抗体がウシ由来の場合、ヤギ由来のBSAを使用することが考えられます。
  3. ヤギ血清: ヤギ血清も一般的に使用されるブロッキング剤です。特に一次抗体がウシ由来である場合、ヤギ血清が有効です。

ブロッキングの手順:

ブロッキングの手順は次の通りです:

  1. 切片を洗浄: 切片を洗浄して非特異的な結合物質を除去します。
  2. ブロッキング: ブロッキング剤(FBS、BSA、ヤギ血清など)を切片上に加え、室温で10〜30分間でブロッキングを行います。過度なブロッキングは避けるべきです。
  3. ブロッキング剤の洗浄: ブロッキング剤を切片から洗浄します。これにより、一次抗体が非特異的に結合するのを防ぎます。
  4. 一次抗体の追加: ブロッキングの後、一次抗体を切片に追加します。一次抗体は、特定の抗原に対して結合します。
  5. 検出の継続: 通常のIHCプロトコルに従って、一次抗体の検出および染色を行います。

まとめ:

ブロッキングは、IHCにおいて偽陽性の結果を防ぐために不可欠なステップです。適切なブロッキング剤を選択し、正確な免疫染色結果を確保するために実施することが重要です。

 

当社ではFBSやBSA、動物血清などのブロッキング剤の調達に関するご提案を行っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

検体を見る