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抗体精製の基本:効果的な手法とポイント

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抗体の作製をするためには、目的の抗体を産生させる・選択するだけでなく、抗体以外の不要な物質を取り除き、精製することも重要です。このブログでは、基本的な抗体の精製方法について解説します。

 

抗体精製の基本スキーム

抗体精製のスキーム

1. 清澄化(Clarification)

  • 目的: 原料から抗体以外のタンパク質や不純物を除去する。
  • 手法: 遠心分離、フィルターによるろ過、塩析など。
  • 注意: 原料や抗体の種類によって調整が必要。

2. 回収(Capture)

  • 目的: 目的の抗体を速やかに分離・濃縮する。
  • 手法: 主にアフィニティークロマトグラフィーが使用される。
    • IgGの場合: Protein A/Gによるアフィニティークロマトグラフィー。
    • 他の抗体: 抗原アフィニティー精製など。

3. 中間精製(Intermediate purification)

  • 目的: 回収ステップで一緒に回収された夾雑物を除去する。
  • 手法: イオン交換クロマトグラフィーが一般的。
    • 等電点の情報がない場合、電気泳動で等電点を調べる。

4. 最終精製(Polishing)

  • 目的: 残存する夾雑物を高性能カラムを用いて除去し、最終的な精製タンパク質を得る。
  • 手法: 高分離能なカラムを使用したゲルろ過クロマトグラフィーが一般的。

 

抗体精製で用いられる主なクロマトグラフィー手法

段階 クロマトグラフィー手法 分離パラメーター 特徴
回収 Protein A/Gアフィニティークロマトグラフィー 特異的親和性 ワンステップで高い純度を得ることができる。
回収 抗体アフィニティークロマトグラフィー 群特異的親和性 立体構造の類似性を認識して選択的分離が可能
回収 Thiophilicアフィニティークロマトグラフィー

Thiophilic interaction

抗体の種類により使用。疎水性相互作用クロマトグラフィーと同様な結合・溶出条件を使用
中間精製 イオン交換クロマトグラフィー 電荷 処理量、処理スピードが優れており、幅広いラインナップ
最終精製 ゲルろ過クロマトグラフィー 分子サイズ(分子量) 少ない処理量で高い精製効果。バッファーの交換も可能。

 

注意点と工夫

  • 特異性の確認: 各ステップで抗体の特異性を確認し、不要な成分の取り込みを最小限に抑える。
  • pHや塩濃度の調整: 抗体の特性に合わせて適切な条件で処理。
  • 成分の保護: 抗体が不安定な場合、最適な条件で取り扱い、失活を避ける。

抗体精製は研究や医療の分野での応用において極めて重要であり、細心の注意が必要です。

 

Central Link株式会社では、原料採用が可能な様々な抗体を提案しており、主に体外診断薬を製造するお客様へ供給しています。
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